ジャズギター奏者 ラリー・カールトン日本公演

■シンプルに、奥深い演奏

 日本の人気ロック・ユニット、B’zのギター奏者、松本孝弘との共演盤で今年、グラミー賞を獲得した米ジャズギター奏者、ラリー・カールトン。深刻な原発事故を伴う東日本大震災の発生にもかかわらず「日本は僕の約30年間にわたる音楽活動を支えてくれた」と公演ツアーを続行。大阪では6日にシアターBRAVA!(大阪市中央区)で演奏を披露した。コインケース

 米ロサンゼルスでセッション演奏家として頭角を現し、大手レコード会社からの初ソロ作「夜の彷徨(さまよい)」(1977年)で日本に空前のフュージョン(ジャズとロックの融合ジャンル)ギターブームを巻き起こした。その後も良質の作品を定期的に発表している。

 今回のステージは、昨年発売した米東部発祥のソウル音楽の名曲カバー集が中心。米グループ、スタイリスティックスの「誓い」(73年)や英バンド、シンプリー・レッドが広めた「二人の絆」(89年)のカバーでは美しいメロディーと艶(つや)やかなギターサウンドが光る。ウエストバッグ

 ジャズもロックもブルースも完璧(かんぺき)かつ変幻自在に演奏し「ピッキングの強弱だけで5種類の音色を使い分けられる」(ロスの音楽業界関係者)といわれる技巧派最高峰のひとりだが、歌心は決して忘れない。財布

 終盤は「夜の−」に収録している代表曲「ルーム335」も登場し、オールドファンを喜ばせた。59年のギター名曲のカバー「夢飛行」(82年)で見せた、シンプルだが奥深い演奏に大いなる感動を覚えた。財布